大人にもコーチが必要な時代

脳機能科学者である苫米地英人先生の書籍、
『隠された能力をどこまでも引き出すコーチング』より
一部を引用転載させて戴きますね。

●今の日本にコーチングが必要な理由

疲弊している日本の状況にあって、今だからこそ日本人にコーチングが必要な理由を、以下のようにあげてみましょう。

①従来の管理主義では対応できない

 企業においても90年代以降、厳しい競争を勝ち抜くために、自ら変革することを求められてきました。組織内でも情報をできるだけ早く共有化し、より柔軟な決断を下す必要が出てきたのです。
 従来のように「上司が部下を指導する」というだけの管理主義では、目標達成のスピードが遅く、素早い経済の変化には対応できなくなってきています。そこで近年は、多くの企業で従来の「管理主義」ではなく、コーチングの手法を取り入れ、上司と部下がコミュニケーションをとり合って、部下に自発的行動を促し、目標達成のスピードを向上させています。 コーチングを導入しない企業は、厳しい企業間の生存競争に勝ち残れないといえるのです。

②自分のことを正直に話せる相手がいない

 人は自分が考えていることを整理するためにも、無意識に話を聞いてくれる人を求めています。「話を聞いてくれる人を求めている」とはいっても、自分の弱さや抱えている困った問題を友人や知人、また会社の同僚にはなかなか正直に話せるものではありません。その理由は、「○○さんは私たちのイメージとは違う人なんだ」というマイナスイメージのレッテルを貼られるのが怖いからです。
 また、そのレッテルが噂話としてさらに多くの人に広がると、自分に貼られたレッテルを剥がすのに、多くの時間とエネルギーを使うことになったりします。
 ですから、私たちは自分の弱さや問題を他人に知られないように、「見せかけの自分」という仮面をかぶって生活しているのです。人は自分の不満や問題を誰かに聞いてもらい吐き出すだけで、心がずいぶん楽になるものです。
 しかし、今は近所同士の付き合いや、人間同士が裸でコミュニケーションを持つ機会が少なくなっているので、「相談したくても相談する相手がいない」「話を聞いてもらいたくても、聞いてくれる人がいない」というような現実から、一人で問題を抱えている人が多い時代といえます。

 人は、話すことによって自分が何を考えているのかを相手に伝えるのと同時に、自分の耳で考えを聞いています。
 そして、考え方が整理されていき、問題や悩みの解決方法を自分で気づいて見出すことができるのです。

 これをコーチングの用語では「オートクライン」(自分で話した言葉が自分に作用すること)といいます。人は自分が考えていることを整理するためにも、無意識的に話を聞いてくれる人を求めているのです。
 ただ残念ながら、人間関係が希薄になり、かつ複雑な利害関係が絡み合う世の中になってきたので、無防備に話をするのは危険だという認識がそれぞれの人にできあがっています。 そこで、専門家に話を聞いてもらい、オートクラインを起こさせるためにもコーチングが最適ですし、今後、その需要はますます高くなるでしょう。

以上、引用終わります。

 いかがでしょうか。恐らく、スポーツの現場でも、学校教育の現場でも、職場でも、言えることではないでしょうか?

 ましてや、1949年に学校教育法ができて、70年過ぎた今でも、昔と変わらない教育方法では、どうでしょうか?ここに危機感を感じない人がいるとすれば、正常性バイアスの罠ですね。

 我々大人が、本当の自分に気付き、そして、目の前の子供たちや上司・部下との関係性を築いていかなければ、生産性の高い結果を得ることは難しくなります。

 たかがスポーツといえど、競技から離れた子供たちは、長い人生を力強く歩んでいかなくてはなりません。また、人に言えない悩みなどがあるがゆえに、自分のパフォーマンス(能力)を発揮できていない可能性も十分にあるわけですね。

 スポーツに限らず、上司と部下の関係性など、多岐にわたる人間関係にある中で、コーチングを導入してみるのも一つだと考えます。

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